半年の無職で挑むつもりが、開始1ヶ月で長期戦に切り替えた

フリーランスのITエンジニアになって10年が経つ。最近まで、メインの仕事は一つの現場での準委任契約だった。そこに、ときどき副業的に受託の案件が挟まる。そんな働き方を長く続けてきた。

でも、先日メインの契約を終了した。詳しくは、前回の記事に書いた。

2026-08-05準委任で8年やって、次は登る山も自分で決めていきたい同じ現場に長く留まるほど、社員になるべきか、このまま続けるべきか、迷いは消えない。8年準委任を続けた末に見えた、その迷いの正体について。yamataka.blog

これまで8年続けてきた業務だったので、自分の中でも大きな決断だった。辞めた理由はいくつかあるが、一番は「個人開発の事業化に挑戦してみたい」と思ったから。半年くらい無職になって、集中的に取り組んでみようと計画した。

でも、無職になって1ヶ月も経たないうちに、想定していなかった焦りに支配されることになる。

その焦りと向き合った結果、半年という短期決戦にするのではなく、個人開発を「人生の挑戦」として捉えたいと思えた。今回は、その気付きについてまとめる。

そもそも個人開発の事業化を目指すのは無謀か

僕は個人開発が好きで、12年間くらい続けてる。これまでに作ったプロダクトは7本くらい。でも、まだ1本も事業化できたプロダクトは無い。一度だけ、知り合いの会社の方が気に入ってくれて、数十万円の売上ができた。でもそれだけだ。

個人開発は、楽しい。けど、辛い。プロダクトをつくることは好き。でも、個人開発には「マーケティング」が必須。僕はこれが苦手で、いつも作って終わってしまう。だからプロダクトが伸びない。

マーケティングが苦手な理由は、情報発信ができない。何度かチャレンジしても、いつも継続できずに挫折してしまう。(そして今回もこうやってブログでチャレンジはしてる。)開発者自身の活動だったり思考を、継続して公開してる人は、本当にすごいと思う。

AIエージェントの登場で、僕にとって状況は更に難しくなったように思う。つくることが簡単になった分、プログラミングというアドバンテージがなくなってしまい、飛び抜けた強みが減った。代わりに、マーケティングが得意な個人開発者が躍進するのだろう。

個人開発を事業にする難しさは、身をもって体感してきた。だからこそ、「個人開発を事業にしたい」それを言葉にする自信が無かった。メインの契約を終了するとき、周りのメンバーから「次は何をするんですか?」と聞かれても、あいまいな回答で逃げていた。

無職の半年は長いが、挑戦には短い

無謀だと思いつつ、現状を変えたい一心で、見切り発車でメインの契約を終了した。そこには、資金的な目処が立っていたのも大きい。しばらく無職でもやっていける。半年くらい無職になって、個人開発の事業化に集中的に取り組んでみたいと思った。半年も無職になったら、何でもできるような気がしていた。

しかし、実際に無職を始めると、まったく想定と違っていた。時間があっという間に過ぎ去っていく。1週、2週と過ぎるうちに、焦りだけが募っていった。無職になって1ヶ月もしないうちに、「今週も成果が出せなかった」「このままじゃ半年なんてあっという間だ」「半年じゃ何も結果が出せない」そんな不安に支配されてしまった。

ロングゲーム

悶々と考える中で、なにかヒントになるような書籍を読みたいと思い「ロングゲーム(ドリー・クラーク著)」が目に留まった。「長期戦略」ってワードに惹かれて、なんとなく読んでみたんだけど、「はじめに」の数ページが心に響いた。

私たちにとって「挑戦」とは「自分への挑戦」だ。誰にも気づかれず、無視されていても、それでも前に進んでいく。世界がいつか自分の存在に気づくはずだと信じ続ける。目先の利益の誘惑に負けず、不確実ではあるが、価値のある将来の目標に向かって努力を続ける

そうか、僕は半年間という「目先」で結果を出そうとしていた。個人開発が大好きだからこそ、これまで12年間、コツコツやってきた。それならば、これを「自分への挑戦」にしよう。そう思えた瞬間だった。

無職で半年ではなく、「長く続けられる戦略」にシフトしよう。そう気づかせてくれた一冊だった。

※ちなみに、この書籍の本文は心に刺さらなかった。とにかく「はじめに」に全てが詰まってた。

僕がメインの契約を辞めてまでやりたかったのは、時間の捻出ではなく、個人開発に腰を据えて取り組める仕組みをつくることだった。

無職をやめ、半受託に舵を切る

用意できていた資金は半年分の見込みだった。長期戦略に切り替えるなら、それだけでは足りない。ということで、個人開発を主軸に時間を割きつつ、フリーランスとして受託も手掛ける戦略に変更した。当初予定していた「半年間の思いっきり無職」は、1ヶ月ももたずに終わりを告げた。だいぶ早い方針転換だけど、長期でやっていく余力が十分に残った状態でリスタートを切れたことは良かった。

今後の具体的な計画としては、まず受託をもう少し強固な基盤にしていきたい。冒頭にも記したとおり、これまで準委任と並行して受託も手掛けてきた。おかげで、声をかけてもらえる関係も、見積もりから納品までの進め方も、一通りは手元にある。ただ、無職になるつもりだったので、仕事を断りすぎてしまった。

なお、準委任ではなく受託を選択しているのは、「時間」ではなく「成果」を売っていきたいからだ。前回の記事で書いた「登る山にも権限を持ちたい」は、結局ここにつながってるんだと思う。成果にフォーカスし、個人開発の事業化に時間を割いていきたい。

そして、個人開発。実は、プロダクトはすでにある。なので機能実装よりもマーケティングを見据えた活動をしていきたい。これについては別の機会に記事にしていきたいと思う。

余談

今回、このテーマで記事を書こうと思ってから、自分の思考も色々変わった。書ききるまで随分と苦戦した。でも、これこそが書くことの魅力なのかもしれない。書くことで、考える。考えることで、自分をつくっていく。そう思えた記事だった。